少し前になりますが、今年の2月上旬はシンガポールでは旧正月(Chinese New Year)でした。

シンガポールで迎える旧正月も4回目となった今回、シンガポール人は旧正月にどんなことをするのか、以外に多い日本の正月との共通点について記事にしたいと思います。

旧正月にシンガポールに旅行するのってどうなの?

本題と関係ありませんが一応旅行ブログを標榜しているので、最初に旧正月に旅行でシンガポールに行くのはどうなのか?という質問に答えます。
私の答えとしては、避けた方がいいです。理由は、中華系を始めとして多くのレストランが閉まっており、街も閑散としていて普段のシンガポールらしくないからです。

多民族国家のシンガポール、マレー・インド系にとって旧正月は特別な日ではありませんので、交通機関・スーパー・コンビニなどは彼らの働きにより開いていますし、レストランも全てが閉まっている訳ではありません。
旧正月に来てもやる事がないということにはなりませんが、それでも限られてしまうので、避けられるなら避けた方がいいでしょう。


また東南アジアでは同じ時期にベトナムがテトと言われる長期休暇で、シンガポールより長く1週間ほど休みになるので行くのは避けること。マレーシア・インドネシアも祝日は1日目だけですが、お店はもう少し長く閉まっていたり、開いていても食材の入荷が無いなんてことも。

旧正月の影響が無いのはタイ・カンボジア・ミャンマー・ラオス・フィリピン。ちなみにタイは中国人の旧正月の旅行先として人気で、観光地は中国人でごった返します。

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中華系シンガポール人の旧正月の過ごし方


ではここからが本題、中華系のシンガポール人はどのように旧正月を過ごすのでしょうか?

知らない方もいるかも知れませんが、日本でも昔は旧正月を新年として祝っていました。明治維新後の近代化により、祝う日付さえも西洋の暦に合わせたのです。
とはいえ祝い方は伝統のもの、地理的にも近く、漢字など多くの文化を吸収してきた中国とは、多くの慣習を共有しています。そんな中国をルーツにもつ人が多いシンガポール。タイミングは違えど、日本とシンガポールの正月の祝い方は共通点が驚くほど多いのです。

家族・親戚で集まる
日本でも旧正月は実家に帰り、親戚に顔を出す期間ですが、シンガポールも同じです。そもそも国土の狭いシンガポールでは帰省というものがなく、普段から親戚同士顔を合わせる機会が多いのですが、旧正月は家族の集まりが凝縮しています。
私は日本にいた頃、年末年始に親戚の集まりをすっぽかして海外に旅行したことが何度かありますし、毎回でなければ家族も許してくれましたが、シンガポールではそれはあり得ません。よほどの理由がない限り、家族の集まりに参加するのはマストなのです。
また「親戚」の範囲が日本より広いため、祖父母の兄弟の子供・孫まで挨拶に行く家族も多く、旧正月は連日親戚の家巡りになる家庭もあるかとか。

魚生
旧正月中は毎日といっても過言でないほど食べるこの料理、標準中国語ではユーシェン、広東語ではローヘイと言います。
もともとは後で紹介する正月7日目の食べ物だったようですが、今では旧正月前後2週間ぐらいそこら中で見かけます。
職場でも同僚同士のランチやディナーで食べたり、スーパーなどでもよく売っているので在住者ならご存知の方も多いはず。

それぞれの食材には食材にちなんだ意味とフレーズがあり、食材を一つ一つお皿に入れながら、そのフレーズを皆で唱えます。
例えば最初に入れる食材である「魚」は、中国語では「余」と同じ発音で、「年年有余」というフレーズがついており、1年中余りがある、つまり豊かな一年を願っています。

その他の食材はこちら。入れる順番もこの通りです。
・柚子
・胡椒
・油
・人参
・紅芯大根
・大根
・ピーナッツ
・胡麻
・クラッカー
・梅ソース

すべて入れたら箸を使って一斉に食材を持ち上げながらかき混ぜていきます。日本で言う渡し箸にあたるので、やや抵抗がありますが…

こんなに色々混ぜて味はどうなの!?と思いますが、味は驚くほど美味しいんです。
野菜が多く、梅ダレも効いているのでサッパリした味です。

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みかんとクッキー
魚生と並んで旧正月の定番の食べ物
Mandarin Orangeというみかんは旧正月中はよく食べますし、フェイクも合わせてオレンジの木の植木鉢をそこら中で見かけます。日本でも鏡餅の上に乗ってますが、関係あるんですかね。。
パイナップルケーキなどのクッキーも一年中売っていますが、特に旧正月前は大々的に売りに出されます。

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お年玉・アンパオ
これも日本と同じで、親戚に会うとお年玉がもらえます。
日本と違う点は、もらえる・もらえないの境界線が結婚しているかどうかにあること。30代でも40代でも結婚していなければもらえるのです…日本ではあり得ませんね。
逆に自分が既婚であれば、同世代であっても未婚の兄弟や従兄弟にお年玉をあげることもあるそう。

またこのお年玉、なんと職場の上司からもらえます。金額は大抵十数ドルですが…職場に家族的なつながりを求めるシンガポールらしい慣習ですね。

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大掃除
中国語で春掃、英語でSpring Cleaningとも呼ぶ行事。日本の年末の大掃除と同じで、年内に溜めた厄を掃き出すという意味が込められいます。
ただここはメイド大国シンガポール、自分で掃除するのではなく、旧正月前はメイドのクリーニングサービスの予約が取れなくなるそう。

新しい服と散髪
これは日本にはない文化ですが、旧正月前は靴から下着まで必ず新しい服をワンセット買い、初日にその服を着ます。伝統的には赤のチャイナドレスですが、若者は赤の普通のドレスや、暗い色じゃなきゃ良いと言う人も。毎年旧正月前になると、街中のマネキンたちが赤いドレスを着始めます。
また旧正月前に髪を切る人も多いので、旧正月前には予約が殺到し、値段があがる床屋もあります(日系の美容院は普通あがりませんのでご安心を)。
家だけでなく身だしなみもきちんと整えて新年を迎えようということですね。

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正月七日目は人日・みんなの誕生日
正月7日目は、人類が誕生した日と考えられているそうです。また日本や中国で昔採用されていた数え年(生まれた年を一歳として、新年の度に一歳加える年齢の数え方)では、この日がみんな一歳年を取る日。だからみんなの誕生日ということです。
福建系の家庭では7つの薬草を使ったスープを飲むそうですが、どう考えても日本の七草がゆと繋がりがありそうですよね。


以上、いかがでしたか?日本と遠く離れたシンガポールで、正月の祝い方にこんなにも共通点があるなんて面白いですよね。
今後もシンガポールで過ごしていく上で、面白い発見があれば共有したいと思います!